コラージュ

10月に母の書斎を整理していた時に
母が「2011年11月27日」とサインしたコラージュを見つけました。
彼女の命日は5月24日ですから、亡くなる6ヶ月前です。
自分がガンにかかったことを最後まで認めなかった母。
家族は、治療法の選択や精神的サポートをどうやってあげたらいいものか、
頭を悩ませました。
「本当に状況を分かっているの?」
と何度も心配になりました。
子供の気持ちとしては
自分がガンにかかったことを受け入れて欲しい
時間に限りがあることを理解して、今までの人生をちらりと振り返ってシェアして欲しい
心に平和を見つけて欲しい
いつかは皆んな土に返るんだから、「そうだよね」「また会える日までね」みたいな感じで
逝ってくれたら、理想的だったかな、と勝手に思いました。
しかし、まさかそう理想通りにいくわけもありませんでした。
病人の心理とは、こんな風に不安定なのだなぁということを学びました。
心にあった不安、怒り。
ぎゃ〜っと打ち明けてくれればいいのに
気丈でいつもシャキッとし、泣き言ひとつ聞くことはありませんでした。
自分の最期のあり方を考えるのは、それまでどう生きるかを考えること。
言ってみれば、母の最期は、彼女の生き様そのものだったかもしれません。
過去を振り返るなんてことは考えもせずに、ひたすら前向きに生きた人生。
弱みなど絶対に見せることなく、最期まで意志を貫きました。
「つらい」と言ってくれなかったのは、
ちょっとさみしい気はしますが、
それは、それは気の強かった母ですから。
このコラージュにもしっかりと表れています。
気高く
美しく
小さいですが、時計があるのがわかるでしょうか?
これをみて思いました。
彼女は自分の時間に限りがあるとを知っていたのですね。
体力が落ちて来て、思うように身体は動かないし、
今までのように考えられなくなってしまい、
兄弟姉妹にでさえ、最後には会いたくなかったのは
自分の元気な姿だけを覚えていてほしかったからだと思います。
いつも元気で、パワーをいっぱい人に与えて
プライド高く、そして常に女性としての美しさを追求していた
そんな彼女は、いつまでも私の心の中に生きています。
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